「東京の一戸建ては今売り時ですか?」という、一戸建てに限らずマンションも含め、不動産の「今売り時か?」という質問を良く受けます。答えとしては「はい」なのですが、マンションよりも一戸建ての方が理由を語るのが難しいのも事実です。一戸建ての価値を測る上で大事な要素は何か?それは「地価」と「不動産全体市況」の二点です。この二点から、「今一戸建ては売り時である」という根拠が分かります。

マンションの価値は比較的単純で「駅力」「駅距離」「向き」「広さ」で大体決まってきます。しかし一戸建ての売却の場合は上記の他に「接道」と「容積率」が加味されます。これが厄介なところで、いくら人気駅徒歩1分の1,000㎡ある大きな土地でも、接道が悪ければ不人気駅徒歩20分の500㎡の土地より価値が低いことさえあります。
更に「容積率」は法令により変化するケースがあるので、10年前までは2階建てまでしか建てられなかったが容積率が緩和されて4階建てまで建てられるというケースもあります。そして、一戸建ての建物自体は木造建築であり、価値が落ちやすく築20~25年以上だと0円の価値になってしまうため、築浅の建物の査定は逆に難しいです。
従って、一戸建ては上記の理由により、マンションよりも価値を測るのが難しいため、「最近一戸建ての価値が上昇しています。売り時です」と単純に言えないのです。今回は冒頭のように「地価」と「不動産全体市況」の2点から「今一戸建ては売り時であり、より高く売るためにはどうしたら良いか?」というテーマでお話しをします。

目次
1.一戸建ての価値について
・1-1地価は今こうなっている
・1-2不動産全体市況
・1-3一戸建ての「建物部分」について
2.一戸建てを売るときの注意点?
・2-1査定について
・2-2媒介契約について
3.不動産会社を選ぶときの注意点
・3-1査定額以外の要素
・3-2具体的な査定方法
4.まとめ:一括査定で慎重に選ぼう

1.一戸建ての価値について
冒頭にもお話しをした通り、一戸建ての価値は「地価」と「不動産全体市況」で決まります。この章では、地価の推移から見る「東京の一戸建ての価値」と、不動産全体市況から見る「売り時」をご説明します。

・1-1地価は今こうなっている
下表は平成23年から平成27年の公示地価を示しています。
ご覧の通り東京圏の地価は平成23年から徐々に前年の縮小幅を減らしてきて、平成26年から前年比プラスに転じています。平成20年のリーマンショックの急落がようやく回復してきたところです。土地はマンションに比べて流動性が低い分、急落後の回復は鈍いと言われており、マンションの価格動向から数年遅れで連動すると言われています。
次項でマンション動向のデータと共に詳細をご説明しますが、東京の地価については長い下落がようやく回復してきており、上昇に転じている時期であるとご認識ください。

2016y02m03d_110513364※数字は前年比を表しています。
※出典:国土交通省 土地総合情報ライブラリー 全国公示地価推移
http://tochi.mlit.go.jp/kakaku/chikakouji-kakaku

1-2不動産全体市況
繰り返しますが、一戸建ての価格推移とマンションの価格推移は連動します。更に言うと、賃貸マンションの賃料なども基本的には連動するケースが多いです。単純に景気が活況かどうかという点もありますが、「住まい」を探している方が「賃貸マンション」「新築分譲マンション」「新築中古マンション」「一戸建て」の選択肢の中から選びますのでどれかが上がれば連動します。
特に新築分譲マンションと一戸建てを同時に検討する方が多いのは想像できると思います。つまり、マイホームを探している方にとっては、新築分譲マンションの価格が上がっていれば一戸建ての価格が上がっていても不思議には思わないという事です。

下表の通り新築分譲マンションの価格は上がっており、ここ10年で最も高い水準です。マイホームを探している方はこの高い水準の新築分譲マンションを見ている可能性が高いです。つまり、新築分譲マンションが高い水準にある今は、競合するであろう一戸建ても高く売却しやすいと言えるでしょう。

更に、前項の通り東京圏の地価は回復傾向にありますので、東京圏の一戸建てを売却する際に、土地価格が例年よりも高く出やすいでしょう。何故なら土地の価格は再三申し上げている「新築分譲マンション価格」や「周辺相場」の他に「地価」も参考にするので、地価が上昇に転じている今は有利に働くのです。

2016y02m03d_110736461首都圏 新築分譲マンション平均価格推移
※国土交通省HPより引用  不動産経済研究所調べ
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

1-3一戸建ての「建物部分」について
一戸建ての建物部分は基本的に木造のためマンションよりも価値の目減りが早いです。具体的には20~25年程度で価値は0円と見なされる場合が多いです。
一戸建ての売却の際、資産価値が0円と判断された建物があると、その建物の解体費も加味した上で売却をする必要があります。仮に、購入者の方が、築20年の建物でも問題がなく、そのまま建物に住まうのであれば問題ありませんが、築20年を超えた一戸建てを売却する場合には、解体費がかかる可能性がある点も認識しておきましょう。
マンションですと周辺事例を元に、おおよその査定額を出すのは割と簡単なのですが、一戸建ては劣化が早いという事もあり、建物部分の査定額が出にくいです。どうしても相場状況以外の室内の目視確認が必要になります。
後述しますが、一戸建ての建物部分の査定はマンションに比べると難易度が高く、もし解体する場合には、良い業者を紹介出来る不動産会社に売却を依頼するのもポイントになります。

2.一戸建てを売るときの注意点は?
現在一戸建てが売り時であるという事はお分かり頂けたと思います。では、実際に一戸建てを売却する時に何に気を付ければ良いかをご説明致します。

・2-1査定について
一戸建てを査定する際には境界に気を付けましょう。境界とは隣のお家や道路との境界を、石や金属プレートなどで記されており、自分の土地の範囲を把握するためのものです。年数が経過した住宅内では境界が破損しているケースがありますが、そのままで売却することは出来ないので、良く確認の上、破損していた時には復旧してから売却しましょう。
最悪の場合には測量のやり直しが必要になりますので、その諸費用で10万円単位のお金がかかります。境界は曖昧にせずに査定時に良く確認してもらうようにしましょう。

・2-2媒介契約について
一戸建ての査定が終了した後は、「この一戸建ての売却活動をお任せします」という媒介契約を不動産会社と締結します。媒介契約の種類は3種類ありますが、ほとんどが「専任媒介契約」を締結します。この契約は、「他の不動産会社には売却活動を頼まないので、高く早く売ってくださいね。」という内容です。
つまり、たった一社の不動産会社にしかお願いしないという事なので、「仲介してくれる不動産会社を選ぶ」という事は一戸建てを高く早く売却するためには重要な要素となります。

3.不動産会社選ぶときの注意点
一戸建てを売却する時には、マンションと違い、建物と土地の二つを考えなくてはいけません。更に、先述した通り、境界の問題や建物査定が高難度である事を加味し、マンション売却の時より更に不動産会社は慎重に選ばなくてはいけません。

・3-1査定額以外の要素
一戸建ての売却をどの不動産会社にするか。それは査定額だけで決めてはいけません。先述した通り「境界のチェック」や「建物内の目視査定」という要件が必要になります。
特に建物内の査定は経験がものを良い、バラつきが大きく出る箇所と言われています。不動産会社によっても得手不得手がありますので、不動産会社を選ぶ時には、特に建物査定の根拠を大切にしましょう。
単純な「立地×広さ」だけではなく、一戸建ての構造やクロス・フローリング・建具の材質などもキチンと目視した上で査定を行う会社を選ぶと良いでしょう。
更に会社によっては測量の無料サービスなどが付保されていますので、ご自身の自宅売却の際に、「測量は必要になるか」「建物は査定する必要があるか」などは把握した上で不動産会社を選任しましょう。

・3-2具体的な査定方法
査定自体は無料で何社にもお願いできます。特に東京エリアの一戸建ての場合には、一括で査定をお願いするのが良いでしょう。東京エリアは地方と比べて売り物件が多いため、査定の根拠が出しやすいので比較検討しやすいです。更に先述の通り、建物部分の査定はバラつきが出るため、ノウハウがある会社か否かを判断する必要があります。
そのため、わざわざ数社個別に連絡を取って査定を出すのは手間がかかりますし、同時期に比較検討をした方が得手不得手が分かり易いので、一括で検索をすることをお勧めします。

4.まとめ:一括査定で慎重に選ぼう
東京の一戸建てが今売り時であるという事を認識していても、売る方法を誤ればせっかくの自宅が本来の価値より低く売られてしまう場合もあります。繰り返しますが、一戸建ては「土地」と「建物」の二つの不動産がある上に境界確認や建物解体など、煩わしい事が多いです。
従って、それら全てを加味した上で不動産会社を選任する必要があります。不動産会社によって査定根拠はマチマチであり、単純に周辺事例だけを加味した査定結果ですと心配です。上記でお話しをした基準を元に、一括査定後にキチンと見極めて、自宅の価値を最大限高められる不動産会社を選びましょう。