マンションを売却するときにかかる税金は何かご存知ですか?
「え?税金なんてかかるの?」という方も多いのではないでしょうか。

居住年数や、保有期間などの様々な条件によって、税率や控除額などが違います。つまり、それぞれのケースによって税金がかかるか否か、そしてかかるとしたらどの程度かかるのかは違います。

不動産を売る時に、もし税金がかかるとしたら大きな額になるケースもありますので、ご自宅のより良い売却には税金を学ぶ必要があります。
今回はそんな「マンションの売却に伴う税金」についてのご説明です。

1.マンション売却にかかる税金

まず、マンションを売却する時には何の税金がかかるのかをお話していきます。大きく分けて「印紙税」「譲渡所得に関する税」がかかります。

1-1. 印紙税について

印紙税からご説明します。マンションの売買契約書に貼付する切手のようなものを「印紙」と呼び、それには税金がかかっています。その印紙を書面に貼付し、割り印を押すことで「納税」という扱いになっているので、あまり税金を納めているという感覚はないと思います。
不動産の売買契約書などをはじめ、課税文書になっている書面に関しては印紙税がかかり、これを納めていないと(つまり、印紙が貼付され、割り印がされていないと)法的に契約書とは認められません。印紙税の費用は以下の通りです。()内は2016年2月時点で軽減が適用されている金額です。

「500万円から1,000万円以下」 →「1万円(5千円)」
「1,000万円から5,000万円以下」→「2万円(1万円)」
「5,000万円から1億円以下」  →「6万円(3万円)」
「1億円から5億円以下」    →「10万円(6万円)」

※参考 国税庁HP
https://www.nta.go.jp/shiraberu/zeiho-kaishaku/shitsugi/inshi/08/10.htm

1-2.譲渡所得に関する税

不動産売却で利益が出た場合には、その譲渡所得(利益)に「譲渡所得税」「住民税」「復興特別所得税」の3つの税金がかかります。この所得の算出方法は、単純に「売却した金額から購入した金額を差し引く」のではなく、その時にかかった諸費用なども加味して計算されます。

1-3.譲渡所得の算出方法

譲渡所得の計算式は、「マンション売却価格―(購入時のマンション価格-減価償却費用)-購入時にかかった諸費用-売却時にかかった諸費用)」となります。言葉で言い換えると、「マンションを売って出た利益に、『マンションの築年数が経ち劣化した分(減価償却費用)と、マンションを買う時、売るときにかかった費用』を引いて良いですよ」という事です。
例えば、以下のような条件でマンションを売却をしたら、譲渡所得はいくらでしょうか。

→売却価格5,900万円
→売却時の諸費用(仲介手数料抵当権抹消費用など)190万円
→購入時価格5,300万円(建物部分4,700万円 土地部分600万円)
→減価償却費用(鉄筋コンクリート造、新築購入 築10年)634万円※次項で解説します
→売却時の諸費用(借り入れ時の手数料や登記費用など)万円150万円

「マンション売却価格―(購入時のマンション価格-減価償却)-購入時にかかった諸費用-売却時にかかった諸費用)」
「  5,900万円   ―(   5,300万円 - 634万円)-   150万円   -    190万円   」
となり、「894万円」が譲渡所得となります。

1-4.減価償却費用について

前項で出てきた減価償却費用の算出方法についてご説明致します。減価償却とは、簡単に言うと「建物部分は経年劣化していくので、築年数に応じて価値を減らします。土地部分は経年劣化しないので、減価償却はしません。」というものになります。減価償却は、定額法と定率法の2つの算出方法がありますが、一般的な「定額法」だけ覚えておけば問題ないです。
定額法の計算式は「マンション購入金額×0.9×償却率※×経過年数」となります。
例えば、前項のマンションの減価償却費用は、
「マンション建物購入金額×0.9×償却率※×経過年数」
「   4,700万円 ×0.9× 0.015 × 10年 」
となり、前項の通り減価償却費は「634万円」となります。(1万円未満切り捨て)

■法定耐用年数表(定額法)
耐用年数 償却率
木造 33年 0.031
軽量鉄骨 40年 0.025
鉄筋コンクリート造 70年 0.015

2.税金の控除及び税率について

ここまでお話をした税金の中で特に「譲渡所得税」に関しての控除、税率についてご説明いたします。

2-1.税金の控除について

譲渡所得税については、居住用であった場合に限り最高3,000万円まで所得を控除出来ます。つまり、マンションを売って出た利益が3,000万円以下の場合には、税金はかからないという事です。
これに該当する諸条件に関しては複雑な要件が絡むため、以下URLにて国税庁HPをご覧いただければと思います。
簡単に解説をしますと、単純に「住んでいるマンションを売った」「そのマンションを売る以前に違う不動産を売っていて、他の特例などを使っていない」という状態であれば、問題なく3,000万円控除は適用できます。
多いケースとしては、「数年間賃貸マンションにしていた」など、自分が居住していない期間がある場合などは、控除が受けられないケースがありますので、そのような時は要件を良く見ておきましょう。

※参考URL 国税庁HP
https://www.nta.go.jp/taxanswer/joto/3302.htm

2-2.税率について

もし前項の控除が適用されずに税金がかかる場合には以下をご確認ください。税率はそのマンションの保有期間によって変わってきます。

→長期譲渡所得(マンションを売った年の1月1日の時点で5年以上保有)にかかる税金
「(譲渡所得-特別控除※前項に該当していれば)×所得税15%、住民税5%」
→短期譲渡所得(マンションを売った年の1月1日の時点で5年以内保有)にかかる税金
「(譲渡所得-特別控除※前項に該当していれば)×所得税30%、住民税9%」
→長期、短期共通でかかる「復興特別所得税※」
「(譲渡所得-特別控除※前項に該当していれば)×2.1%」

※平成25年から平成49年までの期間に売却をした場合
先述した通り、譲渡所得に関して3つの税金がかかってきます。

3.まとめ

ご覧いただいた通り、不動産を売却した場合には税金がかかります。
確かに、3,000万円の控除枠があるので、居住用不動産を一般的に売買する場合には税金がかからないケースが多いので、あまり知られていません。しかし、もし税金がかかるとしたら、税率もかなり高いので注意が必要です。税金に関しては、時期により軽減や税率が変わってくるのと、細かい条件によっても税率、控除枠の適用が変わってきますので、上記をお読みいただき、税金がかかる可能性のある方は、それぞれの参考URLで詳細をご覧ください。
また、損失が出た場合以外は、翌年の確定申告が必要になりますので注意しましょう。特に3,000万円の特別控除を使用する場合には税金がかからないので忘れがち(税務署から確定申告期間の前に「確定申告してください」という、はがきが届きます)ですが、確定申告の義務が発生します。

下記URLで簡単に作成できますので利用しましょう。下記URLより確定申告の書類を作成すると、自動的に「3,000万円控除の適用が出来るか否か」の結果を出してくれますので、自分で諸々確認をしなくても問題ありません。また、先述した「減価償却の計算」についても、同じく、下記URLにて確定申告書類を作成する際、自動で計算をしてくれますので計算式全てをマスターする必要はありません。
但し、税金がかかるかどうか微妙な金額の場合には上記計算を自分でしつつ、税理士に相談しましょう。

「多分大丈夫だろう」と思っていて、いざ確定申告をしてみたら「控除できないケースだった」や「控除しきれず税金がかかった」となっては大変です。
自宅のより良い売却のため、税金関係は理解しておきましょう。

※参考URL 国税庁HP 確定申告書作成コーナー
https://www.keisan.nta.go.jp/h27/ta_top.htm#bsctrl