2020年のオリンピック開催が決まってから「オリンピック景気」という言葉を耳にする機会が増えました。不動産市況にもこの言葉を使う事が出来、事実、マンション価格も年々上がっている現状があります。良く聞かれるご質問としては「マンションはいつ売り時なのか?」「オリンピック効果はいつまで続くのか?」というご質問があります。

勿論明確な回答は出せませんが、そういったご質問については「オリンピック効果がいつまで続くかは分かりませんが、少なくとも『今』は10年に一度の売り時と言えるでしょう」という回答をします。
何故そのような事が言えるかという事を、今回はご説明いたします。

1.マンションは今売り時か?

冒頭で申し上げた通り、マンションは今売り時であります。その根拠を新築マンションと中古マンションの価格推移からご説明いたします。

1-1.直近の新築マンション価格

まずは新築マンションの価格推移からご説明致します。下表は首都圏の新築マンションの価格推移と、近畿圏の新築マンションの価格推移です。ご覧いただいている通り、直近10年の中でも高い水準に位置している事がお分かりいただけると思います。
首都圏 新築マンション 価格推移

近畿圏新築マンション価格推移
※首都圏 新築分譲マンション平均価格推移
※近畿圏 新築分譲マンション平均価格推移
※国土交通省HPより引用  不動産経済研究所調べ
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

1-2.直近の中古マンション価格

続いて、中古マンションの価格推移表です。こちらも新築マンションと同様、ここ10年で高い水準に位置している事がお分かりいただけると思います。中古マンションは新築マンションの価格に連動しますので、新築、中古マンションの価格推移は基本的には同じ波を描きます。

『中古マンション70㎡換算価格推移』2015年(年間版)
※東京カンテイ 『中古マンション70㎡換算価格推移』2015年(年間版)
http://www.kantei.ne.jp/release/PDFs/c2015.pdf

1-3.今後のマンション価格の展望

前項まででご覧いただいている通り、マンション価格は間違いなく直近10年の中でも高い水準に位置しています。しかし、「今後も上がり続けるのではないか?」という質問に関しては、「分かりません。上がる可能性もあります」という回答が正直なとこです。

今後もマンション価格が上がるかどうかは、「何故マンション価格は上がったか?」を考えてみる必要があります。その答えは、勿論「オリンピック効果」や「アベノミクスによる景気回復」という、日本全体が好景気であるという要因もあります。しかし、それ以上に「建築費の高騰」という理由が挙げられるのです。この建築費とオリンピックの関係が大きなものになっておりますので、次章から詳しくご説明していきます。

2.オリンピック効果とは?

オリンピック効果と一言で言っても何の影響があるのか?マンション価格においての一番の影響は「建築費の高騰」です。具体的な推移を踏まえご説明致します。

2-1.具体的にどんな影響があるのか?

先述しましたが、オリンピック効果で一番影響が出るのは「建築費」です。下表の通り、建築費は2012年頃から急激に上昇しています。マンション価格の大部分は建築費が占めておりますので、建築費の高騰もマンション価格を押し上げている要因になっていたのです。
この建築費の高騰は、中国経済の好調により建築資材の需要上昇や、先のオリンピック効果に付随した日本国内での建築資材の需要増加、人手不足が引き起こしていると言われています。

しかし、もう一つの表「新築マンション販売戸数」をご覧ください。過去に建築費が高騰していた平成7年と、最新データの平成26年を比べてみましょう(赤丸印)。平成7年の新築マンションの販売戸数は8万5千程で、平成26年はその半分の4万5千程です。それにも関わらず建築費の水準はほぼ同じです。普通に考えれば建築の需要が高まっている平成7年の方が建築費は高くなっていそうなものです。

建築費 推移

新築マンション 販売戸数

※国土交通省HPより引用  不動産経済研究所調べ
http://www.mlit.go.jp/statistics/details/t-jutaku-2_tk_000002.html

勿論、人口の増減や外部環境の変化なども影響してきますので、建築費の根拠を国内の新築マンション販売戸数だけでは言えないですが、基本的には建築需要が高まれば建築資材や人件費が高騰するので、建築費は上がります。では何故、平成26年時点ではマンション販売戸数が平成7年と比べて半分程度にも関わらず、建築費が同水準なのでしょうか。

その答えは、やはり「オリンピック効果」が大きいと言えるでしょう。オリンピックによる公共施設の建築などが増加し、マンション以外の建築需要が増え、建築費が高騰したのが一番の原因と言えます。つまり、「今売り時である」という根拠の「新築・中古マンション価格の上昇」はオリンピックの影響が大きいという事になります。

2-2.オリンピック効果はいつまで続くか?

前項までの話を受けると、今後の建築費はオリンピックの公共施設建築の如何によって左右されると言う事です。マンションは建築費が大半を占めておりますので、言い換えると「オリンピックの影響力如何によってマンション価格は変動する」という事です。

2013年9月に決定したオリンピックですが、2016年2月時点で、既に公共施設はある程度改築や建築計画は終了している状況にあります。従って、建築資材の発注やゼネコンの選定、人での囲い込みもある程度終わっているとすると、今後建築費が爆発的に上がるリスクが少ないと言えると思います。

そうなると建築費が大部分を占めるマンション価格については自ずと頭打ちになっていく可能性が高いです。つまり、「建築費(マンション価格)がこれ以上爆発的に上がる可能性が低い」ので、「今マンションは売り時である」と言えるでしょう。

2-3.その他の売り時について

新築・中古マンションの価格推移、オリンピック効果以外で売り時を見極める方法は「大規模修繕」があります。大規模修繕とは定期的に分譲マンションの外壁などを中心に大規模な修繕を行う事です。外壁以外にも屋上やエントランス、機械式駐車場など、目に見えて大きな部分を補修する作業が中心になります。

マンションによっても異なりますが、一般的には12年周期で大規模修繕が行われる計画になっている事が多いです。当然大規模修繕後は見た目にも綺麗になりますし、大規模修繕とはマンション全体のリフォームにも近いので使い勝手が良くなることもあります。例えば、使用率が低かったバイク置き場を減らし自転車置き場を広くしたり、エントランス周りの電球を増やし明るくしたりなどです。

購入検討者はお部屋だけでなく、マンション全体も評価しますので、大規模修繕後のマンション売却はタイミングとしては良いタイミングと言えるでしょう。

3.まとめ

マンションは今売り時か?というテーマは難しいテーマです。これは事実を読み取って今後の展望を予想するしかありません。今回お見せした「新築・中古マンションの価格が現在は高水準である」という点、そしてその原因の一つである「オリンピック効果による建築費の高騰は一旦頭打ちの可能性がある」という点。この二点の理由により「『今』がマンションの売り時」、言い換えれば「『今』マンションの価格を高く売りに出しても、周りの新築マンションと比較して不自然の価格でない」と言えるでしょう。
本日お話したことを参考に、是非ご自宅を「高く」「早く」売却して頂ければと思います。