以前、中古戸建を売ってほしいと頼まれて媒介をすることになった物件で、こんなことがありました。

その戸建には駐車スペースが1台分しかなく、道路と敷地の境界にはブロック塀が立っていたので、売主の配慮からそのブロック塀を撤去して駐車スペースを広げる工夫をしました。
その工事の最中のことです。
工事業者に対して、隣の住人から次のようなことを言われたらしいのです。

「この駐車スペースの端っこにうちへの上水道配管が埋め込まれているので、工事するのは気を付けて下さいね!」と。

工事業者の親方も不動産については素人なので、何気なしに私にそんな話をしてくれました。

私はそれを聞いてびっくりしました。
「え?と言うことは、隣の人は他人の土地を通って水道を引き込んでいるってことでしょうか?こりゃまいった!」
工事業者は、
「え?どうしてですか?」
「考えてみて下さいよ。他人の土地を通っている水道配管に不具合が生じた時、その家の承諾を得なければ工事をすることが出来ません。」
「そんなこと黙っていたら、この家を買う人が現れても誤魔化せるんじゃないですか?」
「いやいや、我々不動産屋には重要事項説明の義務がありまして、こういうことは絶対に申告しないとダメなんです。」

とにかく販売前にわかって良かったです。

でも、それからが大変でした。
それが事実なら水道の引込をしているのは前面道路である私道からでして、市の方には何ら申立ても出来ないのです。
まずは、市の上下水道課へ行き事実確認をします。

市の担当者は、
市の担当者は

「あぁ~、確かに水道はこっちの私道から引き込んでありますね・・・。私有地を通ってお隣の土地に入っているので、あなたが言うように地役権等の設定をしておくか、分筆をするのが正当な方法でしょうね。」

いやいや、今更そんなことで現売主に負担をかけられません。
「弱ったなぁ~。」
実はこの中古戸建は私の薦めで現売主に購入してもらった物件だったのです。

「よし!この戸建を購入した時の不動産会社へこの事実を打ち明けて対策を考えてもらおう!」

とにかく、この状況を打破するには知恵をもらうか責任を負ってもらうか考えてもらう必要があったのです。

A不動産(購入時の情報元)にこのことを話すと、

「え~!うそ~!そんなこと知らなかった!」
と言うのですが、不動産の法律の中には
『瑕疵担保責任』というものがあります。
取り敢えず、現場に来てもらって今回のことは『瑕疵担保責任』に当たるとして話を進めようと思ったその時に私の携帯がなりました。

電話に出てみると、市の上下水道課の職員からでした。
「先ほどお越し頂いた時に、そちらの地域の担当者が不在だったので分からなかったのですが、その場所は広範囲に渡ってもう一つの道路(市道)から水道を引き直す工事が決定していまして、お隣の水道引込みも近く引き直しをすることが決定しているようなのです。なので、問題は解消するかと思います!」
「え?本当ですか?」
「はい!工事日時も決定しています!」

良かった~!これで問題は解消されるようです。

一緒にいたA不動産の担当者へもこのことを伝えて二人で肩をなで下ろしました。

たまたまこういう結果になって良かったですが、もし市の拡張工事が無かったらと考えると、ゾ~っとします。

今後はこういうライフラインは気を付けて確認しなければと改めて思った出来事でした。