<いよいよ>
28歳の時に購入して5年住んだ部屋ともいよいよお別れだ。

結婚を期にさすがに1Rの部屋に2人では住めないという事で、
新居探しが始まった。

まずはこのマンションを売らなくては・・・。

今後子供が何人出来るかも分からないので、
とりあえずは賃貸マンションを借りるつもりだ。

そして仲介会社も決め、いよいよ売却活動が始まる。

5年とは言え思い出のあるこの部屋。
東京タワーが部屋から見えるのが一番のお気に入りだ。

営業担当にもそこはプッシュしてもらおう。
<早い!>
仲介会社の担当者からは
「今の時期はもしかしたら3か月~半年かかるかもしれません」
と言われていたので、気長に待っていた。

何件か見学者が現れていたが、
やはりすぐに決まりそうな気配がない。

と思っていたら一か月もしないうちに、
「購入検討者現れました!
先方は来月末の入居を希望していますがいかがですか?
先方はローンを組まないので、
かなり早めに手続きは終えられます。」

まだまだ決まるワケがないのと思っていたので、
賃貸マンションも全然決めていなかった。

「ちょっ・・ちょっと待ってください。
まだ次の家も決めていないので・・・。
今週末に急いで賃貸探すので、返答は保留にしておいて下さい」

次の日に妻と話合い、いくつかの物件をピックアップして、
土日の全ての時間を使って物件を巡った。

その甲斐があり自分達の希望の部屋が見つかり、
1月半後には引っ越せそうだ。

仲介会社を通じ先方にもスケジュールを納得してもらった。

そうなってしまえば話は早いもので、
あっと言う間に契約も済んでしまった。

そして、あっけない程簡単に部屋を明け渡す事になった。

感慨にふける間もなく、新居へと引っ越し、
新婚生活が始まった。
<まさかの連絡>
引っ越しをしてから半年が経った。

快適な新居生活を送っていたある日、
仲介営業担当者から着信があった。

「今さら何だろう・・」
と不思議に思いながら折り返し電話をすると、
動揺した営業担当者の声があった。

「じっ・・実は、あの部屋の前にマンションが建って、
東京タワーが見えなくなりました。
○○さんマンションが建つ事はご存知なかったですか?」

唐突すぎて話が見えてこない・・・・。

動揺している営業担当者も落ち着かせながら
話を良く聞いてみた。

どうやら購入者からクレームの電話が来て、
どうやら購入者からクレームの電話が来て
「購入したマンションから東京タワーが見えなくなった。
直線上にタワーマンションが建ったからだ。
この計画は把握していなかったのか?
東京タワーが見えるから買ったということは、認識してましたよね?」
という内容であったそうだ。

「はぁ・・・だからどうしたんですか?」
と思っていると営業担当者から信じられない言葉が・・・。

「○○さん(私)も一緒に謝ってもらえませんか?」

冗談かと思ったが、どうやら本気で言っているらしい。

怒り半分と呆れ半分に、この担当者では埒が明かないと思い、
責任者の人と代わってもらったところ、すぐに話はついた。

「この件は私共で対処します。大変申し訳ありません。」とのこと。

当たり前だろ!と思いながら、
折角気持ちよく住み替えが出来ていたのに、
何か嫌な気持ちになってしまった。

マンションが建つ事は私が知るワケもないし、
百歩譲って私が知っていたとしても、
マンションから何kmも離れているので、
言う義務はないと思うのだが・・・・。

こういう営業担当は勘弁して欲しいものである。