<二世帯住宅>
子供も増え、今の賃貸マンションも手狭になったので、
新居に引っ越しをすることにした。

色々と見て回り、話し合った結果、
妻の両親と共に二世帯住宅を建てることにした。

妻の実家は都心の一等地なので、
通勤にも便利で住環境も良い。

妻も働いているので子供の世話を考えると、
非常に有り難い話であった。
<会社選び>
妻が間取りにこだわりが強く、
家の設計に難航した。

「リビング階段が良い。」
「ベランダは広く」
「キッチンは絶対に対面式」
など細かな条件が多く、
それに合った設計会社を探すのに一苦労。

ようやく見つけ、妻の思い通りの間取りになったようだ。

こういう時に全く口を出さない両親はありがたい。

妻の両親の関係者という事で施工会社も順調に決まり、
いよいよ施工開始となった。
<施工開始>
いよいよ施工が始まったが、
良く考えるとまだ施工の契約を結んでいない。

いくら付き合いの長い業者だからと言って、
口約束で最後まで行けるワケもなく、
早急に契約書を交わしたい旨を妻の両親に伝える。

呑気なもので
「まぁまぁ焦らずに。時間があるときにやりましょう」
と言っているが、

そもそも施工前にやるものなので、
私自ら連絡をし、契約日を調整した。
<当日>
契約当日の朝。
新居の契約というのは人生の一大事だと思っていた私にとっては、
非常に拍子抜けをした流れであるが、
町の小さな工務店はこんなものかな・・と思いながら契約に向かう。

義父と2人で実印を持ち、
何となく休みであったがスーツを着ていった。

簡単な注意点や説明があり、
「もう施工始まっているのにな・・・」
と説明するタイミングに疑問を感じながら進んでいく。

横を見ると、ただただ頷いている義父がいる。

そしていよいよ契約書に署名・捺印となった。

蛇腹になっている固紙にシールが貼られている。
そのシールに施工費が手書きで記されているので、
施工会社と私達で割り印を押すという形式だ。

36,000,00円也

ん??
何か点の箇所がおかしい・・・。

360万円也

0が1つ少ない・・・。

適当だとは思っていたが、ここまで適当だとは・・・。

義父の知り合いでなければ
そのままハンコを押しているところだ。

さすがに義父もこれには気づいたらしいが
「0が1つ少ないよ。360万円でやってくれるのかね?」
と笑いながら指摘をしている。

向こうも「すみません。」と笑顔で返している。

義両親と住むという事で色々なメリットを感じたものの、
家が出来上がっていくうちに、
「この会社の施工した家で本当に大丈夫だろうか」
「この適当な義親と上手くやっていけるだろう」
という2つの想いが頭を駆け巡った。